食のコラムFood ColumnFood Column

第5回 管理栄養士のおいしい御飯

皆さんこんにちは。管理栄養士の加治です。
毎日暑い日が続いていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
今年は多くの地域で梅雨明けが早く、真夏日・猛暑日に
見舞われる時期も早かったですね。
熱中症で病院に運ばれた方も多いと聞きます。
そこで今回は、熱中症についてとりあげてみたいと思います。

熱中症とは

熱中症は症状によって4つの分類に分けられます。

熱失神

主な症状 : めまい、失神

原因 : 炎天下、高温によって皮膚血管が拡張し、下肢への血液が貯留してしまい、脳の血流が減少。
足を高くして寝かせるとよい。

熱けいれん

主な症状 : 痛みを伴う筋肉のけいれん。
上肢、下肢、腹部の筋肉に起こりやすい。

原因 : 汗と共に血液中の塩分が体外に出てしまい、水のみを補給することによってさらに塩分濃度
が低下してしまう。濃いめの食塩水、点滴等で回復する。

熱疲労

主な症状 : 多量の汗、めまい、頭痛、吐き気、倦怠感

原因 : 体内の水分、塩分不足。脱水症状。熱射病の前段階とも言われている。水分・塩分の補給が重要。

熱射病

主な症状 : 汗をかいていないが、体温が高い(40℃以上)。体温調節ができず非常に危険な状態。
吐き気や頭痛の他、意識障害、錯乱、昏睡、全身けいれんを伴うこともある。
死亡率が1番高い症状である。

ヒトの体温調節

ヒトは、皮膚の表面から空気中へ熱を放出する、発汗の際に汗が蒸発するときに熱が奪われるはたらきを利用して体内の熱を逃がし、体温調節を行っています。
気温や湿度が高いと熱の放出が困難になり、汗も蒸発しにくくなるため、夏に熱中症が起こるのです。

熱中症は屋内でも起こりやすい

炎天下での仕事や運動の最中になりやすいことは知られていますが、熱中症は室内でも起こります。クーラーや扇風機をつけておらず、室内の気温・湿度が上昇して熱中症になるケースが増えています。
1人暮らしの高齢者は特に注意が必要です。

熱中症にならないために

睡眠を十分にとる

水分をこまめに摂取する

(適度な塩分(0.1%~0.2%)を含んだものが好ましい)

長時間の作業・運動は避ける

カリウム・ビタミンB1の摂取

※汗をかくと塩分と同時にカリウムも失われます。カリウムには筋肉の収縮を助けるはたらきがあるので、熱中症にかかってしまったときにとても重要な回復要素になります。ビタミンB1が不足すると、体が疲れやすくなり、食欲不振や倦怠感を伴うこともあるので、しっかり補いましょう。

カリウムを多く含む食品

きゅうり、枝豆、ほうれん草、海苔、じゃがいも、ひじき、バナナなど

ビタミンB1を多く含む食品

豚肉、ウナギ、海苔、乾燥大豆など

いかがでしたでしょうか。まだまだ暑い日が続きますが、体に気を付けてお過ごしください。
(2013年8月05日)