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第9回 管理栄養士のおいしい御飯

夏場の水分補給の注意点

蒸し暑い季節になり、毎日たくさん汗をかくようになってきました。体調のコントロールや熱中症の対策に適切な水分補給は欠かせません。しかし、水分ならどんなものを摂っても良いというわけではありません。
今回は暑い季節に注意してほしい水分補給のポイントを紹介いたします。

ポイント① こまめに飲む

水分補給が大切でも、一度にまとめて飲んでしまうのは良くありません。水を飲んだ時に体が必要とする量を吸収したら残りは尿や汗として排出されるため、腎臓に負担がかかってしまいます。
また、食前に水をたくさんとり過ぎてしまうと胃液が薄まり、消化しにくくなってしまいます。一度に飲む量はコップ一杯(200ml弱)程度にしましょう。 3回の食事以外に午前中、午後、入浴前にそれぞれ一杯ずつ飲むようにすると効率よく吸収できます。200mlを6回飲む事で1200ml=1.2Lの水分補給となります。この他にも味噌汁や牛乳、野菜や果物などを含んだ食事を食べることで約800ml~1000ml程水分はとれますので合計すると1日に必要な水分量が確保できる事になります。
運動をする場合には運動中にも少しずつ飲むように心がけましょう。

ポイント② 糖質をとり過ぎない

夏場の水分補給の為にスポーツドリンクを飲んでいる人を多く見かけます。しかし、スポーツドリンクには吸収の速い糖分が多く含まれているため高齢者では糖尿病や肥満の原因になる事があります。
脱水や熱中症になってしまった時の処置や、運動によって大量の汗をかく場合にはスポーツドリンクは効果があります。しかし熱中症を予防するために普段から飲む習慣をつけることはおすすめできません。日常の水分補給にはカロリーのない麦茶がおすすめです。麦茶にはカフェインが含まれていないため、子どもから大人まで安心して飲む事が出来ます。

ポイント③ 飲みすぎに注意する

冷房の中で過ごす等あまり汗をかかない状況でも大量に水を飲んでいるとかえって水分をとり過ぎてしまい、むくみなどの原因になります。
このような時には冷たい飲料は避け、ぬるめのお茶をすこしずつ飲むようにする等調整が必要です。
また、心臓や腎臓に持病があり水分の量を制限されている方は医師の指示に基づいた量を飲むようにしてください。

(2015年11月18日)