しあわせ御飯

こんにちは。
第二回のコラムを担当させていただきます管理栄養士の西名佳菜子です。
よろしくお願い致します。

10月半ばになり、ようやく秋らしい気候になりました。食欲の秋です。
今回はさつま芋の調理でありがちな失敗と防ぐ方法、 そしてさつま芋の栄養についてお話したいと思います。


失敗1.さつま芋が甘くならない

寒くなってくると焼き芋屋さんをよく見かけます。石焼き芋はとっても甘くて美味しいですよね。
しかし、生のさつま芋を買ってきて手軽に電子レンジで調理すると
「あれ、甘くない」なんて感じた経験はありませんか。 これには理由があります。

さつま芋には、でんぷんが多く含まれています。でんぷんはそのままでは甘みがあまりありません。
しかしでんぷんがβ-アミラーゼという酵素によって糖に分解されることにより、
甘いさつま芋に変化するのです。
β-アミラーゼがさつま芋のでんぷんによく働くのは65~70℃と言われています。
低い温度ではなかなか分解が進まず、逆に高い温度ではβ-アミラーゼが壊れてしまい、
でんぷんを分解することができなくなってしまうからです。

石焼き芋は、丸のままの大きな状態で、適温でゆっくりと1時間程かけて中まで火を通すので
甘みたっぷりに焼きあがっているのです。

一方、電子レンジでさつま芋を加熱すると短時間で真ん中まで高温になり、
でんぷんが分解される前にβ-アミラーゼが壊れてしまうので
甘さの少ないさつま芋になってしまうのです。

自宅で甘いさつま芋を食べるには、弱火~中火でゆっくり加熱すると良いでしょう。


失敗2.さつま芋の色が変わってしまう

黄色くきれいなさつま芋、せっかくなので色よく調理したいですよね。
さつま芋の変色には主に3パターンあります。理由を知って、変色を防ぎましょう。

◆黒ずむ
さつま芋を輪切りにするとヤラピンという白い液体が出てきます。これが空気に触れると黒くなります。
また、クロロゲン酸というポリフェノールを含みますが、これも空気に触れると変色します。
これを防ぐためには、切ったらすぐに水につけてあく抜きをすることが有効です。
なお、クロロゲン酸は芋の中央部よりも両端に多いため、きんとんなど美しい色に仕上げたい場合は
厚めに皮をむき、切ったらすぐに水につけてあく抜きすると良いでしょう。

◆緑色に変色する
これは、天ぷらの時に時々生じる現象です。
天ぷらの衣をサクっとさせるために重層が用いられることがあります。
重層がたんぱく質などと反応するとアンモニアができます。このアンモニアと、クロロゲン酸が
空気に触れることによってできるキノンという物質が反応すると緑色に変色するといわれています。
そこで、緑変を防ぐためには、さつま芋の衣に重層を使用しないことや、あく抜きをすることが有効です。

◆青黒くなってしまう
クロロゲン酸と鉄が反応するとタンニン鉄という物質ができるためです。
さつま芋を鉄鍋で煮たり、金属製のうらごし器でこすと、青黒くなりやすいので気をつけて下さい。


失敗3.さつま芋を冷蔵庫に入れておいたら早く痛んだ

さつま芋はあまり低い温度だと腐りやすくなります。
13~15℃の湿気の少ない場所がさつま芋の保管に適しています。
1本ずつ新聞紙でくるみ、風通しの良いところで保管すると長持ちします。


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★さつま芋の栄養価

さつま芋は大小ありますが、
一般的な焼き芋が1本約250gです。

焼き芋1本に含まれる代表的な栄養素の量と
その特性について以下に示します。

カッコ内は50歳台の方が1日に必要とされる量
に対する割合ですのでご参考ください。

◆壊れにくいビタミンC:72mg(72%)
ビタミンCには体の免疫力を上げる、コラーゲンを作るのに役立つ、肌の色素沈着を防ぐ
といった作用があります。
多くのビタミンCは熱に弱いのですが、さつま芋のビタミンCは熱に強いのが特徴です。

◆疲労回復に、ビタミンB群
ビタミンB1:0.28mg(22~25%)ビタミンB2:0.08mg(5~7%)ビタミンB6:0.8mg(57~72%)
体内でのエネルギー代謝を円滑にさせますので、疲労回復に効果的です。

◆カリウム:1175mg(47~59%)
血圧を下げる、むくみ取り除くといった役割をします。

◆食物繊維:5.8g(34~31%)
腹もちを良くさせる、食後血糖値の上昇を穏やかにする、便秘解消などの役割があります。
しかし、さつまいもの食物繊維は腸内でガスを発生させやすく、人によっては便秘解消に
効果がない場合もあります。
おなかが張りやすい方は食べ過ぎに気をつけましょう。

◆豊富なエネルギー量:330kcal
330kcalというのは白ご飯お茶碗にたっぷり1杯(約200g)に相当します。
焼き芋を食べるときは半分にしておく、焼き芋半分食べたらご飯を100g減らすなどして
太りすぎないよう気をつけたいですね。

さつま芋の特徴を知って、いつものお料理をより美味しく美しく作れると良いですね。
(2012年10月30日)