脊椎由来の下肢痛および
腰痛緩和にSCS
(spinal cord stimulation)
脊髄刺激療法

SCSとは?

脊髄に微弱電気を流すことによって痛みをやわらげる治療方法です。
慢性的な下肢痛に対して効果が期待できます。

手術後に残ってしまっている痛みや、合併症や病態的にも根本治療(手術加療等)が困難な痛みなどが本治療の適応の中心になります。また、変性後側弯やパーキンソン病などの合併症がある神経性疼痛の治療としても選択肢になります。
こちらの動画をご参照いただけるとSCSのイメージが伝わりやすいと思います。
ぜひご参照ください。

手術方法は?

脊髄近くに電極リードを設置して、ペースメーカーのような器械を植え込むことで、微弱な電気刺激を与えて下肢から伝わる痛み刺激を伝わりにくくして疼痛を緩和します。
手術にはなりますが、小皮切、局所麻酔で可能な処置です。
(手術既往や病態によっては全身麻酔での手術が必要となります。)

手術の内容は、以下の通りになります。
上位腰椎(L2高位)の正中皮下を展開してスペースを確保したのち、針をTh12/L1椎間に挿入していき硬膜外 腔に到達したら電極リードを挿入します。基本的にはトライアルを実施して効果があれば後日刺激装置を設置。効果がなければ電極リードを抜去します。

入院治療の流れ

まずリード設置の手術を実施します。1週間程度、刺激の強弱を調整しながら効果について確認を行います。効果があれば、刺激装置の設置術を行い、残念ながら効果が得られなければリードの抜去を行います。2回目の術後も刺激の調整を行いながら経過観察を行い、創部が問題ないことを確認して2週間程度で退院となります。

  • 1日目

    手術:
    リード設置

  • 2日目-1週間

    刺激調整をしてトライアルでの効果確認を行います。

  • 約1週間後

    手術:
    刺激装置植え込み
    or
    リード抜去

  • -2週間

    再度刺激調整を実施しながら、創部確認し問題なければ退院となります。

退院後も外来にて1カ月に1回程度、刺激調整を実施していきます。

費用面、安全面につきまして

世界的にも広く実施されており、国内でも1992年より保険適応が認められている治療になりますので、安全性、費用面でも安心して受けて頂ける治療方法です。
しかし、あくまでも疼痛緩和の治療になりますので、根本的な治療が可能な病状であれば、まずは根本的な治療がすすめられます。

本治療に対してのご希望、ご相談につきましては、担当 加藤医師(整形外科 脊椎専門)の外来受診(予約制)をお願いいたします。SCSだけでなく、通常の脊椎手術も実施しておりますので総合的に判断してお話しさせていただきます。脊椎疾患全般としてお困りの方はご相談ください。