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第10回 管理栄養士のおいしい御飯

風邪の予防と食事のポイント

冬になると空気が乾燥し、風邪やインフルエンザのウイルスが蔓延しやすくなります。
これらの予防には手洗いやうがい、十分な休養と睡眠をとることも大切ですがしっかりと食事から
栄養素を取り入れることも必要です。
今回は風邪に対する体の免疫を高める食事のポイントを紹介していきたいと思います。

ポイント① たんぱく質

ウイルスに対抗する免疫細胞を作るためには材料となるたんぱく質が必要です。たんぱく質は肉や魚、卵や大豆製品に多く含まれています。朝食にパンとコーヒーだけ、昼は麺類だけ・・・ といった偏った食べ方をしているとたんぱく質が不足してしまいます。
1回の食事に1種類はたんぱく質の豊富な食材をとり入れましょう。
朝食に時間が取れないという方はホットミルクやヨーグルトなどでも大丈夫です。

ポイント② 糖質(炭水化物)

ダイエットなどでご飯やパンなどの炭水化物を極端に減らしている人がいますが、エネルギー源となる炭水化物が足りないと体はたんぱく質をエネルギー源として利用します。
そのため、本来は筋肉や血液、免疫細胞に使われるはずのたんぱく質がエネルギー源として消費されてしまうために抵抗力が弱くなる可能性もあります。
栄養素が本来の働きをできるように極端に制限しないように注意しましょう。

ポイント③ ビタミン類

ウイルスは鼻やのどの粘膜が弱っていると体内に侵入しやすくなります。粘膜を強くする栄養素にはビタミンAがあります。ビタミンAはカロチンなどの状態で人参やかぼちゃ、ほうれん草などに多く含まれており、食べると体内でビタミンAに変換されます。
野菜を食べているつもりでもレタスやキャベツ、たまねぎ、大根など色の薄い野菜に偏ってしまうとビタミンAの不足につながりますので緑黄色野菜も少しずつで良いので毎日食べるようにしましょう。
たんぱく質や炭水化物が体内でしっかり利用されるためにはビタミンB群やビタミンCなども必要です。ビタミンBは豚肉や魚、ビタミンCはかんきつ類やジャガイモ、ブロッコリーなどにも含まれています。
ビタミンやミネラルはサプリメントなどでも補給できますが、食事をしっかりすることでポリフェノールや食物繊維などのさまざまな栄養素を一度にとることができる為あくまで食事を基本としサプリメントに頼り過ぎないようにしましょう。
また、サプリメントを一度にたくさん飲んでも身体が吸収できる量には限りがあり、過剰に摂取した分は排出されてしまいます。必ず用法や用量を守ってご使用ください。

(2015年11月18日)