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第4回 管理栄養士のおいしい御飯

こんにちは。管理栄養士の田中祥子です。
今回のコラムでは、コレステロールと植物油について紹介したいと思います。
栄養指導をしていると「コレステロールゼロの油やオリーブオイルは本当に体にいいんですか?」と
よく聞かれます。確かに食事に気をつけている方にとって油のカロリーや質はとても気になりますよね。
そこで今回は、コレステロール値が高めの方に注意してほしいポイントを説明したいと思います。

1.コレステロールとは

コレステロールは体内で増えすぎると動脈硬化を引き起こす原因を招きます。 しかし、身体にとって全く不要というわけではありません。私たちの身体を構成する細胞や様々なホルモンを作る材料として、とても大切な栄養素です。そのため、一日の必要量の70~80%は体内、主に肝臓で合成されているのです。
残りの20~30%を食事から取り入れていますが、食べ物から身体に入るコレステロールは多かったり少なかったりするため、それに合わせて体内での合成量が調整されているのです。
しかし、日常的にコレステロールを多く摂取していたり、運動不足でコレステロールが多くなったりしているか、遺伝や糖尿病、ホルモンの分泌異常などで肝臓でコレステロールの合成量が調整できなくなったりすることでコレステロール値が高くなり、問題が起きてしまうのです。

2.コレステロールゼロの油とは?

最近ではスーパーやドラッグストアには何種類もの植物油が並んでいますが、「コレステロールゼロ」と表記された植物油を見るととても健康によさそうな気がしませんか?
しかし、コレステロールとはもともと動物の細胞に含まれる成分ですので、植物にはほとんど含まれていません。
そのため、一般的なサラダ油やごま油はすべてコレステロールはゼロまたは含まれていてもとても微量で、法律上「ゼロ」と表記しても問題のない量なのです。
そのため、コレステロールが高めの方が選ぶべき油は「コレステロールゼロ」と書かれたサラダ油ではなかったのです。

3.LDLコレステロールを
下げてくれる植物油とは?

最近注目されている成分は「植物ステロール」と呼ばれる成分です。
植物ステロールは動物ではコレステロールに 相当するもので、
β‐シトステロールなどが一般的に知られています。
植物ステロールは特定保健用6食品としての認可を受けており、
植物ステロールの含まれる油やドレッシング、マヨネーズは
LDL-コレステロールを下げる働きがあると研究で明らかになりました。
β‐シトステロールなどは安全性が示唆されていますが、
1日2~3g以上食べても効果が上がるということはありませんので、
商品パッケージの適正使用量を守って食べることをオススメいたします。
また、妊娠中の方や授乳中の方への十分な安全性もわかってはいませんので特に過剰摂取には注意してください。

皆さんのご健康のお役に少しでも立てれば幸いです。
(2013年5月25日)