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第13回 管理栄養士のおいしい御飯

食生活とプリン体について

暑い夏、スーパーでは「プリン体オフ」や「プリン体ゼロ」と書かれたビール系飲料がたくさん並んでいます。
このプリン体とは、どのようなものでしょうか?

プリン体とは?

プリン体は細胞の核に存在しています。あらゆる生物の細胞内に存在している為、ほとんどの食品に含まれています。私たち人間の身体にも存在する為、細胞が新陳代謝するたびにプリン体が生まれています。体内のプリン体の20%が食べ物から摂取したもので、残りの80%は身体の中で作られたプリン体だと言われています。
古くなったプリン体は「尿酸」となって排出されますが、尿酸が過剰に蓄積されてしまうと高尿酸血症となり、悪化するとやがて痛風発作を引き起こします。

プリン体が多い食べ物は?

100gあたりに含まれるプリン体の目安量は以下の通りです。

極めて多い(300mg以上)

鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、あんこう肝酒蒸し

多い(200~300mg)

豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、
大正エビ、マアジ干物、サンマ干物

少ない(50~100mg)

ウナギ、ワカサギ、豚ロース、豚バラ、マトン、
ボンレスハム

極めて少ない(50mg以下)

かまぼこ、かずのこ、すじこ、ウインナー、豆腐、
チーズ、バター

プリン体は1日に400mgの摂取が目安とされています。レバーや干物にはプリン体が多いので、1回に食べる量を減らしたり、プリン体の多い食材を組み合わせないように注意するとよいでしょう。

プリン体で考える
おつまみメニューの選び方

アジの干物、カキフライ、カツオの刺身、ローストビーフ、レバーの焼き鳥・・・1人前で100~200mgのプリン体が含まれています。少量にするか、なるべく食べないようにしたほうがよいでしょう。
冷ややっこ、さつまあげ、枝豆、チーズ、だし巻きたまご、生ハム・・・1人前でプリン体は50mg以下です。尿酸値が気になる方にはおすすめです。

お酒に含まれるプリン体の量は?

  • ビール500ml 16.6~42.1mg
  • 発泡酒500ml 14~19.5mg
  • ウイスキー60ml 0.1mg
  • 焼酎90ml 0mg

ビールにはプリン体が多いイメージですが、発泡酒やウイスキーに比べて相対的には高いものの、レバーや干物などの食品に比べると非常に多いというわけではありません。おつまみの内容に注意したほうがプリン体をしっかり減らせるでしょう。
一方で、お酒に含まれるプリン体が少なかったりゼロであったりしても、アルコール摂取そのものが尿酸の産生量を増やしてしまうとも言われています。ウイスキーなどの蒸留酒や焼酎はアルコール度数が高いので、プリン体が少ないからとたくさん飲んでしまっては変わりないどころか尿酸値が上がることもあり、注意が必要です。
プリン体を減らしたい人は、お酒の飲み方だけでなく食事内容にも注意が必要です。食事や生活を見直して上手に付き合っていきましょう。