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はじめまして。
豊岡第一病院の管理栄養士、田中祥子です。
季節ごとに栄養や食事のお話を当院管理栄養士からこちらのコラムで紹介させていただくことになりました。
どうぞよろしくお願い致します。
さて、9月に入り風も秋らしくなってきましたが、残暑はまだ当分続きそうです。
盛夏には食欲が落ちてしまい、水分や麺類ばかり…なんて方も多いのではないでしょうか。
今回は、夏の暑さで疲れてしまった胃腸の働きを良くしてくれる旬の食材やレシピについて紹介してみたいと思います。
夏疲れの症状には疲労感や倦怠感、体のむくみや胃腸障害などがあります。セルフチェックをしてみましょう。
チェック項目が多いほど、あなたの胃腸はお疲れ気味かもしれません。
にんじんは産地を変えながら一年を通して流通していますが、秋から冬にかけてが旬になります。
甘みや栄養成分もこの時期は増しますので、ぜひ積極的に食べたい野菜です。
なぜにんじんが胃腸に良いのか?これは、にんじんに含まれるカロチンの働きです。
にんじんのカロチンは体内でビタミンAに変換され、荒れた胃粘膜の修復・保護に役立ちます。
カロチンは胃を丈夫にしてくれるほかに、髪や肌の健康維持や視力の維持にも役立ちます。
ビタミンAは脂溶性ビタミンですので、サプリメントによる補給では過剰症になる危険がありますが、野菜から摂る分にはたくさん食べても問題ありません。
にんじんのカロリーは100gあたり37kcalです。
食べ物は小腸で消化・吸収をされますが、このとき小腸の働きを助けてくれる消化酵素を含む食材が、山芋。消化酵素は大根に含まれるジアスターゼが有名ですが、山芋にはこのジアスターゼが大根の2~3倍含まれています。
ジアスターゼはでんぷんの消化を助ける成分で、大根同様、すりおろして生で食べるのが効果的です。
山芋の粘り成分はムチンです。ムチンには先ほどのビタミンAと同様に、粘膜保護作用があり、
胃炎や胃潰瘍の予防や改善に役立ちます。
山芋(長いも)は100gあたり65kcalと他の二つの食材に比べてやや高めです。
ブロッコリーは秋~春先にかけてが旬の緑黄色野菜です。
ブロッコリーが胃腸にいい理由、それはビタミンUが豊富だからです。ビタミンUは別名キャベジンとも呼ばれ、市販の胃腸薬にも含まれています。
キャベツに多く含まれることは有名ですが、ブロッコリーには100g中に590μgと、キャベツ100g中の350μgよりも多く含まれています。
ビタミンUは胃酸の分泌を抑えて胃粘膜の修復を助けてくれます。
水溶性のため、ゆでるよりも電子レンジで加熱したほうが効果的に摂取できますよ!ブロッコリーは100gあたり33kcalで、ほかにもビタミンA、C、Eが豊富で抗酸化作用に富んでいます。
<漬け汁>
漬け汁の材料はあわせておき、まぐろを入れてつけます。
皮をむいてすった長芋をだし汁で味付けし、つけておいたマグロにかけて
刻み葱と刻みのりをトッピング。食べる時にお好みでわさび醤油を。
ブロッコリーはひと口大に切って電子レンジでチンする。にんじんは短冊に切ってゆでる。
野菜をごま、しょうゆ、みりん、だしであえて完成!
いかがでしたか?健康の基本は食事にあります。
バランスの良い食事で健やかにお過ごしください。
(2012年9月10日)